オンラインカジノの収益は一時所得？公営ギャンブルの税金との違いについて

オンラインカジノを利用する人の多くが気にしているのが、勝利金に税金がかかるのかどうかでしょう。

実際、オンラインカジノでの勝利金は一時所得になるため、確定申告の必要があります。

この記事では、オンラインカジノでかかる税金についてまとめました。

一時所得の解説や計算方法、税金がかかるタイミングも解説しています。

税金がネックでオンラインカジノの利用を躊躇している人は、これを機に税金の知識をつけましょう。

オンラインカジノの収入は一時所得

オンラインカジノの収入は一時所得に分類されるため、税金を納めなければいけません。

また、オンラインカジノに限らずギャンブルの勝利金は、すべて一時所得です。

日本のギャンブルで勝利金を得ても、税金を納めたことがない人もいるかもしれません。

しかし、これは勝利金が現金で支払われているがゆえ、税務署が把握できていないだけです。

オンラインカジノでの勝利金を手にするには銀行口座を通すため、税金をごまかすことはできません。

一時所得の概要と計算方法、法律について解説するのでこれを機に覚えておきましょう。

一時所得とは

一時所得とは、営利目的の継続的な行為・労働の対価・資産の売却などではなく、一時的に得た所得を指します。

臨時収入のようなものだと考えると、わかりやすいでしょう。

国税庁に記載されている、一時所得に当たる収入は次の通りです。

（1）懸賞や福引きの賞金品（業務に関して受けるものを除きます。） （2）競馬や競輪の払戻金（営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。） （3）生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等 （4）法人から贈与された金品（業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。） （5）遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等 引用元：No.1490 一時所得｜国税庁

オンラインカジノで得た収入は、（2）の競馬や競輪の払戻金に分類されます。

一時所得の計算方法

国税庁に記載されている一時所得の計算方法は、次の通りです。

総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額（注） その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。 引用元：No.1490 一時所得｜国税庁

たとえばオンラインカジノで年間200万稼ぎ、勝ったゲームの支出が合計50万だった場合、以下の計算になります。

200万（総収入）－50万（支出）－50万（特別控除）＝100万

計算で出た金額を半分にしたものを、会社の給料など他の所得と合算し、総所得を出します。

注意点として、一時所得ではゲームに負けた分は支出に含まれません。

引用部分の（注）にもある通り、一時所得で引けるのは、収入を生じた原因に関わっているお金だけだからです。

経費として計上したい場合、営利目的の継続的行為だと認められる必要があります。

一時所得に関わる法律

一時所得に関わる法律は、所法22、34、措法41の9、41の10、所基通34-1、復興財確法28とされています。

この中でオンラインカジノに関わるのが、法第34条の34－1です。

34－1では競馬・競輪を例に挙げて、営利目的になるケースとして以下の記載をしています。

1 馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100％を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。 引用元：法第34条《一時所得》関係｜国税庁

このケースでは、ソフトウェアなどでギャンブルを行い、ほぼすべてのゲームに賭けて多額の利益を得られるように工夫しています。

そのため営利目的と判断され、負けた馬券も経費として認められたようです。

しかし、個人的にオンラインカジノを楽しむ場合は、上記のケースには該当しません。

オンラインカジノの負け分を支出として引かないよう、気をつけましょう。

オンラインカジノと公営ギャンブルの税金の違い

オンラインカジノと公営ギャンブルでは、税金が発生するタイミングに違いがあります。

公営ギャンブルは受け取った時点で税金が発生しますが、オンラインカジノでは出金まで税金が発生しません。

公営ギャンブルは受け取った時点で税金が発生する

競馬・競輪・オートレースなどの公営ギャンブルでは、勝利金を受け取った時点で税金が発生します。

この場合、1月1日から12月31日までに得た一時所得を計算し、確定申告を行ってください。

例外として、日本の宝くじで得た所得は非課税となっています。

公営ギャンブルで得た所得が年間50万円以下の場合、税金は発生しません。

これはオンラインカジノで得た所得も同様です。

オンラインカジノは入出金サービスを経由するため出金時に税金が発生する

オンラインカジノでは、出金時に税金が発生します。

直接お金を受け取る公営ギャンブルと違い、海外の入出金サービスを経由するからです。

オンラインカジノからの出金が年間50万円を超えた場合、確定申告が必要となります。

年間50万円以上稼ぐ予定がある人は、こまめにゲーム履歴をチェックし、勝った金額をメモしておきましょう。

オンラインカジノで税金が発生するタイミング

税金が発生するタイミングは、次の通りです。

• 自分の口座に出金したとき

• 利益が自由に使えるようになったとき

自分の手元にお金が来て自由に使える状態になると、税金が発生すると覚えておきましょう。

自分の口座に出金したとき

オンラインカジノで税金が発生するのは、勝利金を自分の口座に出金したときです。

日本の口座に出金すると記録として残るため、税金を払わずに放置してしまうと、税務署から指摘される恐れがあります。

税金がかかると困る場合は、年間50万円以上は出金しないのも一つの手です。

オンラインカジノから引き出していない分や、海外の電子決済サービスに入っている分は、税務署も把握しづらいと言われています。

しかし、年間50万円以上出金しない場合でも、必ずしも税務署から指摘されないとは言い切れません。

最も安全な策は、年間の勝利金を50万円以下に抑えることです。

利益が自由に使えるようになったとき

オンラインカジノで得た利益が自由に使えるようになったときも、税金を払う必要があります。

たとえば、ビットコインなどの仮想通貨で出金し、そのまま仮想通貨で買い物をした場合です。

仮想通貨も課税対象のため、商品購入や仮想通貨の売却で税金がかかります。

銀行口座に出金しなければ非課税なわけではないため、誤解しないよう気をつけてください。

オンラインカジノでもらえるボーナスに税金はかかるのか

オンラインカジノでもらえるボーナスも、内容によっては税金がかかります。

具体的に言うと、自分の銀行口座に出金ができるボーナスは税金の対象です。

課税対象になるボーナスと対象外のボーナスについて、詳しく解説します。

出金ができないボーナスは税金の対象外

自分の銀行口座へ出金ができないボーナスは、税金の対象外となります。

前述した通り、税金が発生するのは自分の口座へ出金したタイミングだからです。

つまり、出金さえしなければ、ボーナスには税金がかかりません。

キャッシュバックなど出金ができるボーナスは税金の対象

キャッシュバックや入金不要ボーナスなど、自分の口座へ出金できるボーナスは、税金の対象です。

たとえサイト側から提供されたキャッシュでも、出金した時点で利益となります。

銀行口座へ出金した段階では、オンラインカジノからのボーナスか、自分の利益か区別することはできません。

出金した分はすべて税金がかかると覚えておきましょう。

利益がでたら確定申告をする

オンラインカジノの勝利金を計算して、年間50万円以上の利益が出た場合は、必ず確定申告をしましょう。

確定申告の対象となるのは、利益が出た年の1月1日から12月31日までの分です。

確定申告の期間は、翌年の2月16日から3月15日となっています。

本来しなくてはならないのに確定申告をしない場合、次のようなペナルティがあるため、必ず申告してください。

• 本来の税金に加算税がかかる

• 利子税がかかる

• 脱税とみなされると刑事罰になる恐れがある

銀行口座を通して出金をする以上、オンラインカジノの利益は把握されます。

無申告で得をすることは何もないため、きちんと確定申告をしましょう。

オンラインカジノで利益がでたら必ず税金を支払おう

オンラインカジノでの利益が年間50万円を超える場合、税金を払う必要があります。

自分の口座へ出金する時点で記録が残るため、必ず確定申告をしましょう。

利益は一時所得扱いなので、負けたときのお金は経費になりません。

間違えないように注意して、利益を計算してください。

きちんと税金を納めれば、安心してオンラインカジノを楽しめます。

確定申告を済ませた上で、クリーンに遊びましょう。