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世界各国で行われるギャンブルには、配当方式が存在することをご存知でしょうか。
日本国内において、競馬・競艇・競輪・宝くじなどの公営ギャンブルでは、全てパリミチュエル方式が適用されています。
パリミチュエル方式の特徴は、ゲームが終了するまで配当がわからないことです。
パリミチュエル方式は、競馬でイメージすると分かりやすいので、例として解説していきます。
パリミチュエル方式とは
パリミチュエル方式とは、オッズの決め方のことです。
特徴として、ゲームが終了するまで配当がわからないことです。
日本国内の競馬・競艇・競輪・宝くじなどの公営ギャンブルでは、全てパリミチュエル方式が適用されています。
パリミチュエル方式の歴史は古く、ジョセフ・オーレルというフランス人が1867年に考案しました。
日本では1888年、明治21年頃に横浜にある外国人居留地内で行われたニッポン・レース・クラブの馬券販売で初めて使用されたと言われています。
前述のように、パリミチュエル方式がイメージしやすい競技は競馬です。
競馬では、馬券を購入しても、配当は確定しません。
馬券の購入が締め切られ、全ての金額から運営側の取り分が引かれた残り金額から配当を決定します。
そのため、パリミチュエル方式の影響を強く受ける競馬では、馬券を購入する時点のオッズと、レース直前のオッズが異なります。
なぜ多くのギャンブルでパリミチュエル方式が採用されているかというと、運営側が絶対に損をしないからです。
JRA(日本中央競馬会)では、馬券の種類によって払戻率が設定されています。
つまり、馬券の購入が締め切られた時点で運営側に一定の利益が確定しており、残りの金額を的中者で分ける仕組みになっているのです。
このようにパリミチュエル方式では、運営側にとってメリットが多い配当方式といえるでしょう。
パリミチュエル方式とブックメーカー方式の違い
日本の公営ギャンブルではパリミチュエル方式が採用されていますが、一方で海外ではブックメーカー方式が採用されています。
パリミチュエル方式とブックメーカー方式の特徴・違いを、以下にまとめました。
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パリミチュエル方式→ベットした後も配当が変動する
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ブックメーカー方式→ベットした時点で配当が確定する
パリミチュエル方式とブックメーカー方式の違いは、配当が確定するタイミングです。
ブックメーカー方式を採用している場合は、JRA(日本中央競馬会)のように配当が変動することはありません。
そのため、ブックメーカー方式を採用している場合は、馬券を購入するタイミングを気にする必要はないでしょう。
ブックメーカー方式は欧州での知名度が特に高く、採用している地域もヨーロッパ諸国が多い傾向です。
ブックメーカー方式が日本やアメリカで普及していない理由は、運営側に大きなリスクがあるからです。
JRAは「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため」、スポーツくじのtotoでは「スポーツの振興に寄与すること」を設立目的として掲げています。
つまり、上記の公営ギャンブルは娯楽の提供ではなく、公営ギャンブルの振興が目的です。
そのため、配当次第では運営側の収入がマイナスになるブックメーカー方式を採用することは、大きなリスクとなります。
また、JRAの運営元は農林水産省、スポーツくじは文部科学省管轄の独立行政法人日本スポーツ振興センターが運営元です。
つまり国ですから、大きなリスクを背負わないというのも頷けるでしょう。
一方で、イギリスを中心とするヨーロッパで広く採用されているブックメーカー方式は、運営元が民間企業である場合が多いです。
パリミチュエル方式はオンラインカジノに採用されているか
では「パリミチュエル方式がオンラインカジノで採用されているのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
残念ながら、店舗で運営されているランドカジノを含め、カジノゲームではパリミチュエル方式を採用していない場合が多いです。
ルーレット・ブラックジャック・バカラなどをはじめとするカジノゲームでは、あらかじめ配当率が定められています。
では、どのようにして運営元は利益を獲得しているかと言うと、カジノゲームの還元率が関係しています。
例えば、ルーレットは1から36までの数字を的中させるゲームです。
しかし、ルーレットには1から36だけではなく「0」があります。
アメリカンタイプのルーレットであれば、0以外に00もあります。
この場合、還元率は36/37=0.972で約97%です。アメリカンタイプのルーレットであれば36/38=0.947で約94%です。
還元率の上限が100%ですから、100%からゲームごとの還元率を除いた金額をカジノ運営側で確保する仕組みになっています。
ただし、この方式は運営側が損失を出すリスクが大きいため、現在はパリミチュエル方式を採用するカジノも増えてきています。
パリミチュエル方式のシミュレーション
パリミチュエル方式のシミュレーションを見ていきましょう。
今回は仕組みが分かりやすいように、実際の競馬よりも少ない3頭のレースでシミュレーションを行います。
3頭が出走するレースを10人で予想するとします。
賭け金は1人100円です。
JRAの単勝の控除率は20%です。
つまり、10人の賭け金の合計が1000円となるので、20%に当たる200円が運営元に入ります。
残りの800円を的中者で分け合うことになります。
以下にパリミチュエル方式を採用した場合の、計算式をまとめました。
計算式 | 一人当たりの配当 | 単勝倍率 | |
Aの馬 | 800円÷2人 | 400円 | 4倍 |
Bの馬 | 800円÷7人 | 114円 | 1.44倍 |
Cの馬 | 800円÷1人 | 800円 | 8倍 |
表のように、パリミチュエル方式を採用している場合は、賭けている人数によって配当が変動します。
パリミチュエル方式のまとめ
パリミチュエル方式は、オンラインカジノでは採用していない場合が多いです。
しかし、こうした配当方式を理解することで、ゲームの進め方やいつもとは違った視点でカジノを楽しむことができるでしょう。
また、競馬・競艇・競輪・宝くじなどの国内の公営ギャンブルでは、パリミチュエル方式が採用されています。
現在はパリミチュエル方式の普及率が増加しているので、仕組みを把握しておくと今後のゲームでも役立つでしょう。
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オンラインカジノ「Betrnk」を世界に発信・拡大していくスペシャルチーム。
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