この2月の中旬くらいからあちこちで報道されているように、韓国女子バレーで大きな事件が発生しました。
この記事では、その背景について、偏見と思い入れたっぷりに考察したいと思います。
(の校内いじめの詳細や処分の是非についてはここでは語りません)
2021年の韓国女子バレー事件
さて、この2月の中旬くらいからあちこちで報道されているように、韓国女子バレーで大きな事件が発生しました。
既にご存知の方も多いと思うので簡単にお話しますと、「韓国女子バレーボールチーム、ピンクスパイダーズ所属の人気選手であるイ・ジョエン、イ・ダヨン選手姉妹が、10年前に校内いじめの首謀者であったことがネット上で告発され、本人らはそれを認めて謝罪文を出すも非難が止まらず、チームからは無期限出場停止、バレーボール協会からは代表選手資格剥奪という処分を受けた」というものです。
イ・ジョエン、イ・ダヨン選手姉妹
この2人についても散々報道されています。美人双子姉妹として人気があるだけでなく、両者とも韓国女子バレー代表チームの一員である実力者。TVやCMでも引っ張りだこのようです。韓国バレーのオールスターゲームでは得点する度に選手が芸を披露しますが、二人共(特にイ・ダヨン選手は)コミカルでセクシーなダンスを披露するのが人気で、オールスターの楽しみの一つになっています。
http://s-korea.jp/archives/3360/3
イ・ジョエン選手は2014年に興国生命ピンクスパイダーに入団した、所謂生え抜きの選手です。入団後は様々な賞を受賞し、チーム並びに韓国女子バレーを代表するアウトサイドヒッター(以下OH)です。
また、イ・ダヨン選手は同じく2014年に現代建設ヒルステートに入団、2020年にピンクスパイダーズに移籍しました。イ・ダヨン選手も同じく代表選手のため、オリンピックや国際大会で見られる、姉妹でセッター・スパイカーのコンビネーションが国内リーグでも再現されると話題になりました。
バレーボールのポジションやルールはこちらで解説していますのでご覧ください。
興国生命ピンクスパイダーズ
この2人が所属する興国生命ピンクスパイダーズは、イ・ジョエン選手の活躍もあって韓国女子バレーリーグでは常に上位に位置する人気チームです(と言っても、全部で6チームしかないのですが)。かといって、常勝チームというほどの実力差はないため、話題性と戦力強化のためイ・ダヨン選手を引き抜いたのだと思います。
個人的には、いずれ同じチームになるだろうと予測していたので、これ自体はさほど大ニュースではありませんでした。
キム・ヨンギョン選手の入団
それから間もなく、思わず「マジで!?」と声が出たのが韓国の誇る大エース、キム・ヨンギョン選手のピンクスパイダーズ入団でした。
キム・ヨンギョン選手はここ10年以上に渡り主にトルコリーグでプレイしており、国際大会の時だけ韓国代表チームに合流していました。いずれは韓国リーグに復帰するとは思っていましたが、まさか”この時”にピンクスパイダーズに入団するとは全くの予想外。入団時にそれまでの綺麗な長い黒髪をバッサリ切っていたことにも驚きました。
リーグ最強チームの誕生…と構想瓦解
この結果、キム・ヨンギョン(OH) — イ・ダヨン(セッター)– イ・ジョエン(レフト対角)という、リーグ最強どころか世界に通用するレフト線が形成されました。ファンの間では「最強チーム誕生」「ピンクスパイダーズ一強時代の到来」などと言われ、国内リーグでもぶっちぎりでの優勝確実と目されていました。
ところが、いざ開幕してみると、たしかに強いチームですが急造感があり、序盤はバタバタするシーンがよく見かけられました。ここ数年急激に選手の噛み合いがよくなったGSカルテックスの追い上げもあり、とてもぶっちぎりとは言えない状況でリーグ終盤を迎えます。
そこにきて中核たるイ・ダヨン、イ・ジョエン両選手が抜けることにより、上記のチーム構想は完全に瓦解したと言えます。単純な戦力の弱体化だけでなく、チーム全員のモチベーションに相当な影響があったようで、事件直後の韓国道路公社ハイパスとのゲームではまるで精彩を欠き、セット0-3で惨敗します。
影響があるのは国内リーグだけではありません。世界、特にアジアのバレーボール界で(中国は別格として)韓国は日本、タイと共にセカンドグループを形成する好敵手です。両選手が抜けることで、韓国代表チームは戦力を失い脱落するでしょう。他の選手を代表に加えるにせよ、二人との実力差は相当です。GSカルテックスのカン・ソフィ選手、韓国道路公社ハイパスのパク・ジョンア選手辺りがイ・ジョエン選手の代わりにレフト対角に入ると思いますが、高さとスパイクの威力、バレーの上手さでは一歩劣ります。セッターに至っては誰が代表になるのか、現時点で(私は)思い当たりません。
キム・ヨンギョン選手のピンクスパイダーズとの契約は単年という報道もみました。この事件によりキム選手が契約更新をせず、来季は他チームあるいは他国のチームに移籍することすら考えられます。
今、そしてこれから
イ・ジョエン、イ・ダヨン両選手は告発に対し全く反論をせず、全面的に事態を肯定し手書きの謝罪文をネットに掲載、できることなら被害者の方々と会って直接謝りたい、と綴りました。
これについても裏を勘ぐればいろいろとイヤな考えが浮かびますが、真相を知らない身としては彼女らの本音と受け取っておきます。
現在は無期限の出場停止処分になっていますが、これでもヌルいという人もいるそうです。ただ、退団させてしまうと暫く経って他チームに所属した場合にピンクスパイダーズにとっては大変な脅威になるので、このままではないかと推測します。他国のチームであれば両手をあげて歓迎するでしょうから、それもいいかもしれません。バッシングのネタになりそうですが。
ピンクスパイダーズのパク・ミヒ監督は、このような悲痛の声をあげているそうです。
「パフォーマンスが良くなる方法が何かを探さなければならない。お願いしたいのは、我々の選手が過度の関心によってストレスを受けている。これ以上ほかの要因で選手のパフォーマンスに影響がなければ良い」 「あれこれ非常識な話まで出てきているので、選手たちは苦労するしかない。我々の選手たちにとって大変なことが早く終わってほしい。過ちを犯した選手は処罰されなければならないが、残りの選手たちがもっと頑張れるようにしなければならない。選手たちが自身のパフォーマンスを最大限発揮できるよう、周囲がサポートしてくれたらと思う」
「選手のストレスが深刻」“美人双子”のいじめ問題で揺れる興国生命、指揮官が一部報道に反論
「あれこれ非常識な話」というのは、この騒ぎの尻馬にのった、他の選手を含む無責任なバッシングだと思われます。両選手が禊をすませたか、被害者との間で和解に至ったかを判断するのは当事者であり、第三者が謝罪が不十分だなんだとジャッジすることはできないのではないでしょうか?
もちろん、上記のように「過ちを犯した選手は処罰されなければならない」のですが、バレーボールファンの末席にいる者として、1日でも早く被害者の方々と両選手の心が晴れコートに復帰、素晴らしいプレイを見せてくれることを期待するのみです。
「ハイキュー!!」で日向翔陽がブラジルのビーチバレーから日本のインドアバレーに復帰した際、スパイクを一発決めたあとで「帰って来たぜ!」というと観客から「おかえりー!!」と声があがりました。(観客と言っても元烏野メンバーだけのようにも見えますが)
同じように、両選手が戻ってきた時に「おかえりー!」と心の中で声をだし、迎えたいと思います。
Betrnkではバレーボールだけではなく様々なスポーツベットが楽しめます。
お好きなスポーツ、チーム、選手を選んで予想するのも楽しいですよ!
この記事のキーワード
監修者

オンラインカジノ「Betrnk」を世界に発信・拡大していくスペシャルチーム。
Betrnkニュースでは、Betrnkにとどまらず、世界中のオンラインカジノ・ランドカジノを取り巻くあらゆる情勢を調査・分析している。
We are a bunch of curiosity!